カストルプ

「風立ちぬ」に登場するカストルプは、謎めいた外国人キャラクターです。 彼は軽井沢町に滞在しているドイツ人であり、高い鼻と淡いグレーまたはブルーとも言える瞳の色が特徴です。 彼の髪は短く刈り上げられ、左側で大きく前髪を分けています。 体格も他の日本人よりやや大きめで、典型的な外国人の容姿です。 カストルプはタバコを吸い、レストランで食事をする際にはクレソンを食べることが好きです。 また、彼はフランツ・シューベルトの楽曲を好み、ピアノで演奏することもできます。 彼の名前は、トーマス・マンの小説「魔の山」の主人公と同じものであり、その由来はカストルプと二郎の会話で明かされています。 カストルプは政治に関心を持つ人物として描かれており、ナチス・ドイツの台頭や日本の将来に対して悲観的な見通しを持っています。 彼は二郎や里見家と同宿していたことから、二郎と菜穂子の交際の立会人となり、人に関わることが好きな一面もあります。 一部ではカストルプがスパイではないかという噂もあります。 彼の行動や発言から、支給されたタバコを吸っているシーンや情報収集のために新聞を読んでいることなどが指摘されています。 映画評論家の町山智浩さんは、カストルプが実在のスパイであるリヒャルト・ゾルゲではないかと分析しています。 カストルプは「風立ちぬ」において、謎めいた存在として注目を集めるキャラクターです。 彼の正体や役割は作品を通じて明らかにされていきます。