黒川

「風立ちぬ」に登場する黒川は、主人公である堀越二郎の上司であり、物語の重要なキャラクターです。 彼は比較的小柄な体格で、真ん中で分けた髪型とメガネが特徴です。 黒川は三菱内燃機の設計課に勤務しており、新入社員である二郎や本庄の上司としての役割を果たしています。 彼は堅物であり、仕事に対しては非常に厳しく、せっかちな性格です。 しかし、その一方で二郎の才能を高く評価し、彼の成長を支えるためにドイツ留学を推薦するなど、上司としての優れた面も持っています。 また、黒川は堅物な一面もあり、結婚していない男女が同じ屋根の下で一夜を過ごすことに難色を示しますが、倫理観を守る性格とも言えます。 物語の後半では、特別高等警察に追われる二郎を匿い、彼の力となります。 さらに、二郎と菜穂子の結婚の仲人を引き受けるなど、彼の存在は物語の展開に欠かせません。 黒川は、堀達郎の小説「菜穂子」にも登場しており、その名前はそこから取られたと思われます。